鍵師の学校・スクール

手に職といわれる仕事には資格が必要なイメージが強いかと思います。
鍵師として働くには何か資格が必要なのだろうかと思うかもしれませんが、鍵師になるためには学校やスクールを終了することが必須という訳ではありません。

学校やスクールを卒業するといいことがあるの?

現在、鍵師には国家資格はありませんので、専門的な知識や技術を習得すれば、誰でも鍵師の仕事をすることは可能です。
未経験で直接プロの鍵屋に就職して、現場で一から修行してスキルアップを図る人も珍しくはありません。
ただし、まず基礎をしっかり学び、カギ業界に確実に就職して鍵師への道を歩くために、必要な基礎が学べるスクールに通うという選択は近道です。

鍵師のスクールに通い学ぶこと

鍵師のスクールでは、主にカギの仕組みなどに関する知識や解錠技術、合いカギの作成技術を学びます。
プログラムは理論と実習から成り立ち、知識と技術の両方を習得できるようになっています。
基礎知識を学んだ後に実習で技術を身に付け、現場では更なる応用力を高めていきます。

スクールによっては、独立開業のノウハウまでを指導するところもあり、目的によってどのスクールを選ぶかしっかり見比べたほうがよさそうです。
鍵師のスクールは全国でもあまり多くはありませんが、ネットで検索すればすぐに見つけることが出来ます。
学校ごとに、講義のカリキュラムも授業料もかなり差があるため、内容を比較・検討して、自分の目的にふさわしいスクールを選ぶようにしましょう。

日本鍵師協会の「鍵師養成7日間講習」のメリット

鍵師のスクールは複数あるのですが、日本鍵師協会が行っている「鍵師養成7日間講習」が代表的です。
この講習は、民間資格である「1級・2級の鍵師技能検定試験」に沿った内容で進められ、業界内でも信頼性は高く、求人依頼をする鍵屋・セキュリティ企業もあります。

正式に「鍵師」という肩書で業務を遂行するためには、この検定試験に合格して同協会に認定登録をすることが必要です。
この講習のメリットは決して小さくはありません。
鍵師のスクールは、一般的には、一週間~2ヵ月程度で基礎的な知識と技能を習得できるようにカリキュラムが組まれています。

地方の方向けの講座もあるロックマスター養成講座

ロックマスター養成講座は、地方の方向けに「短期集中型コース」を設置しています。
宿泊料込みの値段で短期間での技術の習得を希望する方には最適です。
この講座はほかにも、忙しくても通える半月程度の「お手軽開業コース」というスタンダードコースや2ヶ月程でしっかりした技術を身に付け、独立開業を目指す方向きの「おすすめ開業コース」があります。

受講料は、お手軽開業コースが28万円、短期集中型コースが38万円、おすすめ開業コースが48万円です。
決して安くはありませんので、各コースの内容をよく比較する必要があります。

鍵師の独立

職人的な要素が大きな鍵師は、鍵屋などの企業に就職して働くケースよりも、独立・開業して働く人が多いという特色があります。

独立開業する人が多い鍵師

鍵師の業務は一般的に、顧客から電話やメールなどで開錠等の依頼を受けて、現場に赴いて作業をするスタイルとなります。
現場では個人で行う作業がほとんどですし、費用の掛かる店舗を持たなくても営業できるため、比較的開業のハードルが低い職業です。
鍵師としての専門的な知識や技術に加え、顧客の信頼を得ることが必要であることは当然です。

事前に準備しておくこと

独立・開業に当たり、必要となるのは、開業資金と当面の運転資金です。
例え開業したとしても、最初から安定して収益を上げることが出来るわけではありません。
個人で運営している鍵屋は、直接個人消費者を相手にし、その依頼内容は、「カギの紛失や破損」といったカギに関するトラブルです。

そういったトラブルはたびたび発生するものではありませんので、固定客が付きにくい、リピーターを望みにくい側面を有します。
個人営業の鍵師が安定して収入を上げるには、自分の営業活動で新しい顧客を開拓しなければいけないのです。
そのため、開業時に準備しておく開業資金は、作業道具一式と出張用の自動車などの初期投資に加え、広告宣伝費なども考慮する必要があります。

激化する鍵屋業界の競争

ホームセンターなどの商業施設内や駅構内などで、合いカギの作製や修理を行う店舗を見かけることがあります。
これらの店舗は広範囲で展開するケースが一般的ですが、近年、独立して鍵師を業とする人が増加し、鍵屋は飽和状態にあると言われます。
たしかに鍵師は実力さえあれば、店舗がなくても車で駆けつけて、実力だけで稼ぐことが可能な仕事です。

しかし、どんなに知識や技術があっても顧客がいなければ収入は生まれません。
実際に独立・開業してもすぐに廃業せざるを得なくなる人も決して少なくはないのです。
鍵師として開業し成功するには、実力を磨くことに加え、営業力も重要であることを軽んじてはいけません。

様々な個人営業の鍵屋の形態

店舗の規模は開業資金によって様々で2~3坪の店舗でも好立地であれば驚く程の売上も期待できます。
店番・電話番を兼ねた、合いカギを複製できる程度の能力のスタッフが1名でもいれば出張施工もスムーズにできます。
反対に店舗を持たず自宅の一室を事務所にして、電話帳広告やインターネット広告などで防犯施工・防犯下請作業の出張施工のみを請負う形態もあります。

この場合、開業資金や運転資金が低額で済み、思いのほか収益があがったケースも少なくありません。
そのほか、建設業・内装業など他の事業の副業・兼業ビジネスにして売上増や事業拡大などの相乗効果を狙ったり、知人などに口コミやSNSなどで宣伝し、経費をかけずに週末アルバイト、週末のみの起業で大きな副収入を得るケースもあります。

鍵師の就職状況

最近のIT技術の進歩はカギ業界にも及び、スマートフォンのアプリを使った「スマートキー」の登場など一部では従来の鍵師の技術では対応できず、鍵師の業界を取り巻く環境は様変わりしてきた一面もあります。

個人事業者や中小規模の企業が多く、求人募集は限定的

IT化されたカギはまだ少数派で、従来の機械式のカギが必要とされる場面は多く実際に活躍しています。
鍵師は、世の中でカギが必要とされ続ける限り必要な仕事です。

そのことを考えれば、将来的にも、専門的な技術や知識を豊富に培った鍵師の需要はなくならないでしょう。
しかし鍵屋への就職を考えた場合、鍵屋は元々独立して個人事業主として開業して働く人が多いことに留意する必要があります。

また企業形態であっても中小規模であることが多く、多くの求人は期待できないのが実情です。
中には、複数の店舗を展開するチェーン店もありますが、全体的に見れば個人事業者が多いです。
そのため、就職しようと思っても、必ずしも地域・勤務時間・待遇など理想の条件を満たす就職先が見つかるとは限りません。

まず就職して自信をつけるのも成長への道

カギに関する知識や技術に自信がつけば、個人事業者として独立開業する人が圧倒的に多いです。
しかし、鍵師講習を受講したてで、腕に自信がない、開業資金なども用意ができていない場合もあります。
独立して1人で経営していくためには、顧客からの依頼を待つだけでなく、自ら営業活動もしなくてはなりません。

当然、鍵師としての実力と信頼も問われますので、簡単に成功できないのは他の職人的な仕事と同じです。
そうした場合、とりあえず何年かはカギ業界に身をおいて、腕を磨いたり、独立の準備をするなどの目的で就職を希望するケースも多いです。

就職や求人情報を効率的に集めるには

鍵師技能検定試験を実施する日本鍵師協会の講習を受講することは、検定試験合格の近道だけではありません。
日本鍵師協会には多くの鍵屋やセキュリティ関連企業などから講習を修了した人への求人募集が多数来ているようです。
実際に、全国に多くの店舗を出している大手のカギ関連チェーン店、法人・個人の中・小の鍵屋さん等にも既に数多くの講習修了生を送り出したそうです。
カギに関する職人には、特殊な知識や技術が求められるため、ハローワークなど一般的な求人のルートには向いていません。

そこで、職業技術志向が明確な日本鍵師協会など専門組織からの紹介者を求める傾向があるのでしょう。
また、希望する人には日本鍵師協会からの紹介状も発行しているそうですので、そういった制度を利用する方法も有効です。
ただ、紹介状があれば確実に就職できると言う訳ではありませんので・・・念のため。

鍵師の苦労

鍵師は、基本的に顧客からカギに関連したトラブルや防犯強化対策などの依頼を受けて現場へ出向き、開錠やカギの追加取付け等の作業を進めます。

業務の繁忙・閑散の波が激しい

カギのトラブルはいつ発生するか予測がつきませんので、業務の件数を日々に平準化することはできません。
従って、顧客のニーズに応えるためには、常時出張可能な体制を取り、待機しておく必要があります。
鍵屋によっては年中無休で、24時間対応をとっているところさえもあります。

もちろん、企業に勤める場合は人数も多く、シフト制で働けますし、独立開業すれば自分で営業時間を規定することもできます。
ただ、個人の場合は営業時間を定めてしまうということは、収入の減少にもつながりかねません。
いずれにしても、休みは不定となりがちで、日によって件数には随分波があります。

様々な依頼案件に対応する難しさ

カギの種類は膨大に及び、また、「鍵のトラブル」と一口にいっても、様々な案件があります。
案件に応じて、それぞれ必要な技術や知識も違ってくるので、1人の鍵師がどんな依頼にも必ず対応できるわけではありません。
鍵師の収入源のトラブル解決の料金は、基本的に「1件当たり○○円」という定め方がされています。

そのため、依頼に応じ、案件を解決するごとに入ってくることになります。
せっかく顧客から依頼を受けても、対応できなければ、売上のチャンスを逃すことになってしまいます。
カギの技術は常に進化を続けているため、職人として、常に技術を磨き・向上させていく努力が求められます。

腕を上げて独立した後の苦労も大きい

鍵師は、技術を磨き、腕を上げれば比較的独立開業のハードルの低い仕事です。
しかし、トラブル発生時の対応という仕事で、常にトラブルが発生する訳ではないので、リピート客が付きにくい商売です。

もちろん、1人の顧客から信頼を受けて、他の顧客からの依頼に結びつくケースはありますが、常に新しい顧客となりうる層を開拓し、確保しておく必要があります。
しかし、「仕事を得よう」として利益率の低い仕事まで、無分別に受けていると、薄利多売となり赤字になり、すぐに廃業に追い込まれるケースも見受けられます。

最近は、鍵屋の数が増加しており、黙っていても顧客のトラブル解決の依頼が立て続けに舞い込むケースはまずありません。
安定して収益を上げるためには、きちんとした経営計画を立てて、顧客の信頼の得られる仕事を続けるとともに、住宅地でチラシを投函するなど必要な営業や宣伝活動が必要です。
鍵屋は、職人的な要素が強い仕事ではありますが、顧客に信頼してもらって初めて成り立つサービス業の側面があることを忘れてはいけません。